[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0346 生きているだけで腹がへる

 

 久々に体調を崩してしまった。ささくれ喉の痛み、垂直落下鼻水、重力強め倦怠感、風邪引き。インフルとかコロナとか、流行り病以外のナチュラルな体調不良が随分と久しぶり。そう思えば、割り合い頑丈な免疫を与えてもらったんだな、これまでの健全体に感謝。今日が休みでよかったと安堵する気持ち、果たして仕事だった場合には大人しく休んでいるのだろうか、社会。やっぱりこんな身体じゃ労働できない、精神が追いついていかない、申し訳ございません体調不良のため本日お休みをいただきます。明日もしんどかったら、休職。明後日も明明後日も、しんどかったら容赦なく休職。

 

 パソコンで文字を打つことも倦怠感に憚られ、スマホで画面をタップタップタップ。こういう時、この薄い板切れが存外便利だと感じるのだが、今さら何を言っておるのだろう、文明の力に感謝、こんな時でも言葉を紡がずにはいられない自分自身のエゴと吐き気に圧倒的感謝。思えば最近ストロングゼロばかりアルコールばかり体内に流し込み、ジャンクフードに激しく偏っていて、消しゴムのカスみたいな生活、落下するばかりの睡眠の質、そりゃあ身体は悲鳴を上げるよ。この風邪も好転反応だと信じたい、鼻呼吸が不可能になり精一杯唇で呼吸を繋ぐその姿はまるであはれな金魚、溺死寸前の金魚、汚ない水槽に全身を浸せば、身も心も不潔不完全泥だらけ。一体どの部分をどのように切り取れば、好転反応なんて高潔なものが見えてくる?

 

 スクリーンを眺めるのにも嫌気がさして、パラッと本を読んでみる。浮ついた脳でインプット、なんだかいつもと違う感じ、これはこれで心地よい。眠ってしまえれば楽なんだけど、睡魔がどこにも見当たらない。こちらから探しにいく元気もなく、ただひっそりと、ただおとなしくベッドの上で、時間の経過を観察している。白い天井、埃の積もったシャンデリア、手触りのよい毛布、あたたかい部屋、静かな心。このままゆっくりと死んでいきたい。なにを成すこともなく誰にも気づかれないまま、眠れないばかりで加速するネガティブ。いかんいかん、このまま死ぬわけにはいかん。もうすこし経てば元気になって、よくなって、またなんとなく生きればよろしい。だれかと抱き合って消えたいと願う気持ち、心中、それじゃあどっかの誰かさんと同じおなじ。そんなことはできなくて、せめて抱きしめたい、抱きしめられたいと欲するこの愛情は、どこのだれに向けて、放たれるものなんだろうか。何言ってんの、どうでもええわ。