[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0501 軽やかな自傷

 

 どうしてこんなにも簡単に自分のことを傷つけるのだろう、傷つけなければ気が済まないんだろう。そんなことを思いながらも止まらない左手が憎かった。右手は知らん顔で助長的、わたしの頭は一体どうなっているんだろう。心と身体の解離が本当に激しくて、自分が自分でない感覚、わたしであることの証明が難しかった。揺らぐ、その何もかも全てが。いっそのこと全部終わらせたくなる、今日という一日が憎い。優しい言葉を与えてほしくて、作品に浸り続けるいまこの瞬間。どうして生きているんだろう、どうして死なないでいるのだろう、そんな考えばかりがあたまの中に浮かんで、浮かんで、自身の存在価値を肯定することが出来ないのだ。助けて、助けてほしいと叫んでも誰にも届かない。響くことはない、最後のその瞬間までも。どうして生まれてしまったんだろう、どうして中途半端な愛情を受け取ってしまったんだろう、どうしてわたしは生きることを選択しているんだろう。愚かな疑問符ばかりが心の中身を埋め尽くして、最早生きる気力など残っていないかのように思えた。また生きたいと感じた時に、もう少しだけ頑張ってみたい。