[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0499 背骨が鳴く

 

 どうにも調子が優れない時は、背中が丸まっていることが多い。やはり心と身体は連動しているみたいで、背筋を伸ばすのが難しいのだ。肩甲骨が閉じた状態では呼吸が浅くなり、生活に覇気が無くなる。そうなると起きた出来事をありのままの状態で受け取ることが難しくなる。歪む、どんどん精神が歪んでいく悪循環である。

 

 いつまで経っても身体が重い、倦怠感が抜けきらない時は、精神的な疲労が蓄積されているのかもしれない。いわゆるストレスってやつ、情報処理しきれなくて脳疲労。いまの時期、湿気が多くなる梅雨の時期なんかは自律神経が乱れやすくなる人も多い。正にわたしのことである。乱れに乱れきった自立神経が眼球を圧迫する、光のなかで物を見ることが難しいんである。この神経、全然自律しないんである。日記を読み返していると、毎年この時期になると同じ症状で体調不良をきたしているので、もう慣れっこというか、一種の大きな諦念を抱いている。どうしようもないことはどうしようもなくて、焦ってそれをなんとかしようとするから余計に精神がすり減って、身動きがとれなくなる。それが去年までのわたし、今年はもう少し落ち着いた傍観者でいられる。決して抗わないこと、自然の流れを受け容れることが大事だった。

 

 脳疲労の多くは身体を動かすことで改善できるらしい。ただ横になってジッとしているだけでは、脳の疲れを癒すことはできない。歩く、走る、階段の上がり下がり、とにかく体を動かすことが重要みたい。ちなみに、運動は自律神経を整える上でも効果的とのこと。座っている時間が大幅に長くなった現代人、抱える疲れの多くが脳疲労らしいんだけど、脳がパッカーンと駄目になってる時に、物事を冷静に考えることは難しい。とにかく、無心で身体を動かす。別にジムに通うとかでなくても、いつもより少し長めに歩くとか、家で軽いストレッチとか、その程度からはじめてみればいいと思う。しんどい時って、本当になんにもできないですよね。だからなるべくハードルは低い方がいい。難なくこなせる運動量、達成できた自分を褒め称えながら、少しずつ脳と心を柔らかくする。日々、滑らかな達成感を味わいながら、少しずつ背筋を伸ばすことができれば最高。あたまの中では、常にそのような改善策が渦を巻いている。

 

 

 ただそれだけのことができない日常が続いていて、伸びないままの背骨が、今日も後ろで鳴いている。