[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0526 冷えた心臓

 

 これまでの生き方が全て間違っている気がするけれど、「いやいや全然そんなことないよ」って自分に言ってあげることが、自己受容の正体なのかもしれない。わたし、生きてる。わたし、生きてきた。ここまでたどり着くまでに随分と道に迷ったけれど、何とか「私」を保ちながら今日までを生きてきた。そして、きっとこれからも迷うのだろう。わからなくなることが、たくさんあるのだろう。それでいい、それさえも必然なことなのだから。自分を愛せなくてもいい、誰かを想う気持ちが無くなっても仕方がない。未来では世界から忘れられてしまう存在なのだから、「いま」の中だけを懸命に歩めばよろしい。苦しんでもいい、泣いてもいい、喜んでも、絶望しても、何をしても構わない。時には自分を傷つけることもあるでしょう、世界の歌声が雑音に感じることもあると思う。大丈夫、それでもあなたは間違っていない。一人ぼっちが悲しいのではない、それを感じる心がそこにあるだけだ。頑張ってとは言えない、生きなさいと言う事はできない。わたしがわたしを感じられるその時まで、ただ無意識に行われる呼吸と心臓たちを、信じてあげることしか出来なかった。