[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0488 詩人

 

 いくら眠っても睡眠が足りないと感じる、身体からのメッセージをずっと見ないフリしてきた。またもや自分を蔑ろにしている。いまは波が落ち着くまで淡々と日々を過ごすこと。栄養があるものを食べて、仕事をして、好きな本を読んで、ゆっくりと眠ること。思考停止で同じことを繰り返す中で、風が吹き込みなにかが変わる瞬間がある。過去は無いに等しいけれど、存在しない訳ではなかった。今日からはじめる、いまこの瞬間を再構築する。あたまの中が忙しくって、もうちょって待ってね、順番に組み立てていくからさ。

 

 ため息が響き渡るほどの静寂、朝。鼻腔を包み込むコーヒーの香り。そこには自分以外の誰もいない、ピアノが流れる孤室。辛くても、辛くなくても、いつも目覚めるのはこの場所。自分を変えたいと思うのなら、「人間関係」「時間の使い方」「住む場所」を変えなさいってのはよく言われることだけど、人間関係は流動的なもので少しずつではあるが変わっている。時間の使い方に関しては、お酒を飲みながら悲観的になる時間を減らして、作品に触れる時間を増やしたい。住む場所、これに関してはずっと変わっていないから、本当にそろそろ重い腰をあげるべきタイミングなのかもしれない。「変わりたい」と願う自分がいて、その中に「別にそのままでもいいじゃん」って自分もいる。あらそうかしら? と思ってしまうのだけれど、やっぱり本心としては変わりたい思いが強かった。今の自分を否定する訳ではないけれど、どうしても息苦しさが付きまとうのだ。もう鬱々としたまま日々を過ごすのは、うんざりなのだ。やっぱり少しずつでいいから、変化を起こそう。その第一歩が今日なのだ。いまこの瞬間からはじめよう。

 

 誰かの幸せを願うことはこんなにも簡単に出来てしまうのに、自分を幸せにすることはどうしてこんなにも難しい? 自分がどういう時に幸せを感じるのか、どうすれば不幸と感じるものを遠ざけることができるのか、答えは自分自身にしかわからない。それを知るには、自分と向き合い続ける必要があった。別に向き合わなくたって生きていけるけど、向き合った方がもっと気楽に生きられる。短いようでまだまだ続く人生、出来れば空を見上げながら笑っていたいじゃないですか。わたしはずっと微笑んでいたかった、なにが起きても面白がっていたかった。それならば、そのような人物になればいい。思い描いている自分自身になってしまえばいい。自分には不可能だと諦めて投げ出すから、いつまでも願いは叶わない。行動が伴わなければ、自分の世界はずっと停滞したままだ。思い描いている自分として、日々を生きればいい。日常のなかで感じた想いを言葉にする、そんな生き方。わたしの役割はそこにあると思っていて、人と関わることではじめて自分の個性が発揮される。人の温もりをより一層強く感じるために孤独が存在しているのなら、それさえも受け容れられそうな気がする。しばらくは一人の時間を、生きてみようと考えています。

 

 

 今日も空は水色で、鈍色の心を隠してくれた。