[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0187 面白い人になりたくて

 

 「あぁ、この人面白いなぁ。」

 

 皆さんが思う”面白い人”ってどんな人でしょうか?

 

 軽快なジョークを口から連発する人、機転が効く人、博識で知識豊富な人。色々な面白さの形があると思いますが、私が思う面白い人は”全く予測がつかない人”です。

 

 突拍子もない一言で場の空気を爆発させたり、傍から見ると意味の無いように感じることに熱中して取り組んでいたり、気が付けばその場からいなくなっていたりする。特に何があった訳でもないのに気がつけば微笑んでいたり、かと思えば数秒後には真顔になっていたり。「何だこいつは」という予測不能な一種の恐怖を感じる瞬間に人間の面白さが詰まっていると思います。

 

 自分の中にある理想的な面白い人になりたいと思うけれど、面白さを意識した途端に隙間から魅力が零れ落ちていくから、狙って出来るものではないよなと改まる。友人にとても不思議な方がいるんだけど、面白くて見ていて飽きない。本当は、面白さよりも”ずっと見ていられる”と思われることに憧れを抱いているだけなのかもしれない。

 

 仕事が始まると同時に、単調な生活も幕を開けた。起きたらコーヒーを飲みながら文章を書いて、身支度をして会社に向かい、定時を迎えたらジムに向かい、帰宅後はゆっくり湯舟に浸かってからご飯を食べて、本を読み言葉も食べて、眠くなったら寝る。同じ時間に起きて同じ時間に寝る、ご飯も毎日同じメニューを食べる、同じ香り、同じ部屋、同じ会社。何もかもが予測のつく毎日で、その毎日が嫌いではない。寧ろ、その感覚が好きで続けているし、今後も理想的なルーティーンを創造していくつもりでいる。

 

 けれど、面白みに欠けるよなぁと自分自身でも落ち込む時がある。変わらない日常に少しのスパイスを加えたくて、急に行ったことのない店に入ったり、予定の何もかもを無視してBARに寄って酩酊したり、出社前に近くのカフェでボーっとしてみたり。思いついたことを突発的に行動してみたりするけれど、大抵の場合は大失敗であり大後悔する場合が多い。身の丈に合っていないスパイスは、どうも心に打撃を与えるみたいだ。

 

 つまんねえ人間だなって思う人もいれば、なんか面白いなと思う人もいて、結局は解釈次第なところが大部分を占めている。ヘラヘラ笑って適当に流されるまま生きていれば、少しは面白味を感じてもらえますか?。それで好印象を抱いてもらえたとしても、素のわたしはどこに向かえばいいのでしょう。別に面白くなくたっていい、自分自身で己を楽しむことが出来ていれば、それだけで大満足です。つまんねぇ人間でいい、そのつまらなさを良い風に解釈してくれる人だけを、大切に想い生きていけばいいのですから。

 

 

 それでもやっぱり、憧れてしまいますね