[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0455 破滅願望

 

 生きる。そう決意しても理解を示そうとしない自分の中にある破滅願望。やっと自分と向き合えるようになったのに、決してそのことを許してはくれない。しちゃいけない、やらない方がいいことを、一生懸命取り組むようにわたしの本心を破壊する。もうこんなことしたくないのに、わかっているのに、心の声だけが虚しく響き渡る中、わたしはわたしを破壊していた。

 

 これがホメオスタシスというやつでしょうか。もしくは自己否定を繰り返した結果の歪み切った認知。あぁ、もう愛されたい。いや、すでにわたしは愛されていた。もっと気楽に生きていたいな。なんも考えずに笑っていたいな。いいな、いいな、なんて誰かのこと羨むことなく、自分の人生の上を歩いていきたい。どうして自分を壊そうとするんだろう。自分を認める力、随分と高まった感覚でいたけれど、いかんせんこの破滅願望だけは居座り続ける。それも含めての自分なのか、だからこその「個」なのか。ひとつだけ言えることは、これは決してアイデンティティにはならないのだ。

 

 わたしがわたしを受け入れることで、初めて一人の「わたし」になることができる。その通過点としての破滅願望、破壊的衝動。自分を抑えることが難しいね、脳に抗うことって難しいのだ。あぁしたい、こうしたい、って心の声を手当たり次第に壊そうとしている。刺激が足りないからアルコールにも手を伸ばす、ジャンクフードを貪りながら、「いい人が現れないかなぁ」なんて妄言を吐く。いい人、ってどんな人? 優しい人、愛に溢れている人、母性、滑らかな精神性。その人を通して、自分を満たそうとはしていない? 自分のなかにある欠落を埋めようとはしていない? 視野が極端に狭くなっている。落ち着きを失っている。本当はもう誰のことも必要としていなかった。わたしがわたしを必要とさえすれば、それだけでよかった。だからもう破滅願望よ、そこにいるのは構わないが、君の言いなりにはならないよ。わたしはわたしを求めながら、心の声に従って生きていく。君の声にはもううんざり、なにも聴こえない、なにも反応しない、なにも、なにも。これまでありがとう、さようなら。