[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0583 君とわたしと愛と名前と

 

 生きることが嫌になっても、生きなきゃならないこのまま続く人生だから。

 

 生きることを切望しても、事故や病でいとも簡単に終わる人生だから。

 

 そんなものだから、ただ「今日」を生きるしかないんだよな。そのままの気持ちで、ありのままの自分自身を抱えながら、生活を行っていくしか方法が見つからなかった。とてもアクティブな一日も、ベッドから出られなかった一日も、それは同じぐらい愛おしい一日。世界は何食わぬ顔で動いているけれど、わたしが存在した限りある瞬間の一部分なのだ。それなのに、わたしは私のことを嫌っていて、どうにも息が苦しくて。少しずつ欠けていくばかりの日々に辟易、現在を投げやりに行っている。誰かの為に生きたくて、その誰かがいなくって、仕方なく自分の為に生きている。自分の為? 本当に? それがあなたの望んだ姿生き様なのでしょうか。なんて、いつまでも一人劇場を演じてる。鬱屈とした頭のなかはジメっとして湿度が高い。汗が身体に纏わりつく、身体が汗に飲み込まれていく。儚いその身体をソッと抱いてみたけれど、無表情のままの二人と囁き。その愛に名前があるとすれば、それは間違いなく「君とわたし」。目覚めれば、君は消えてしまう。夢が終われば、名前を忘れてしまう。さようなら、愛しい人。君と、名前と、軽々しいばかりの憂鬱よ。