[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0117 読まれることのない詩歌

 

 愚かな未来に現を抜かす

 

 それでも花は美しかった

 

 君の色彩が艶やかで眩しくて

 

 俯きがちなわたしがいる

 

 

 世界から需要がないことを

 

 必要とされていないことを

 

 いつまでも続けている

 

 「滑稽、どうしてそんなに必死に藻掻くの?」

 

 世界を変える必要があるから、

 

 わたしが私を変える必要があるから

 

 それでも尚、藻掻き続ける私がいて

 

 

 出来ることなら消えてしまいたい

 

 ナーバスな夜も何処か遠くへ葬りたい

 

 寂しいと感じる瞬間がとても幸せだよ

 

 死にたいと思う瞬間はとても生きている気がするよ

 

 どれだけ丁寧に自分を傷つけても、

 

 世界は何一つとしてその面持ちを変えようとはしない

 

 御天道様なんて、有り得ない、存在しない

 

 

 何でこんなことやってるんだろう

 

 何で無様に生き恥を晒しているのだろう

 

 何で、わたしは独りを選択し続けるのだろう

 

 様々な疑問を搔き集めて一つの形にすれば、

 

 少しは意味を見出せるだろうか

 

 それとも、もっとわからなくなるのだろうか

 

 

 多分、ちょっと睡眠が足りてないだけ

 

 多分、ちょっとお腹が減っているだけ

 

 多分、ちょっと愛が不足しているだけ

 

 多分、多分、多分、多分、多分、多分、

 

 整列する幾つかの推測が私の虚無を構築している

 

 

 他人の冷たさに感動する 朱色

 

 温かさに失望している 水色

 

 もう少しだけ期待したいと思える 灰色

 

 夕暮れ時、無色の涙がこぼれ落ち、

 

 其処に一縷の愛が形成される

 

 

 

 お金なんてなくても、

 

 愛を持ち合わせていなくても、

 

 いかなる場合であっても 笑っていたい

 

 瞬間的に蒸発する笑顔であっても

 

 いつだって作り笑いをやり直したい

 

 

 わたしは、道化を、全うしたい

 

 笑いながら、涙を流せ

 

 それでも笑顔で、安らかに、死ね。