[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0368 失うことを恐れずに

 

 生きることが大切なものを失うことの連続ならば、もういっそのことやめてしまいたい気持ちになる。でもきっとそれが人生、仕方がないこと。いつだって世界は変わり続ける、わたしは未来に向かって生きている。そんな中であなたに出会えたことを嬉しく思う。いつか別れる人、必ずその時はやってくるものだから、それまではできる限り笑って過ごしていたいのよ。今日で最後かもしれない、どちらかの心臓が鳴り止んだときかもしれない、もしかすると既に終わっているのかもしれなくて。一緒に暮らしている人のかけがえのなさ、遠くに住んでいる人の愛おしさ、温もりを言葉で表現しながら、残された時間のなかを歩いている。散歩、手を繋ぎながら二人の寿命を削ってる。わたしがいなくなっても泣かないで、振り返ることなんてしないから。あなたがいなくなることはちょっぴり寂しい、物わかりの良い大人にだけはなりたくなかった。星降る夜空に願いを込めて、もうこれ以上、なにも失うことがないように、見失うことがないように。いまこの瞬間、あなたもわたしも生きているのだから、たったそれだけのことが幸せでした。さようなら過去よ、はじめまして未来と。