[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0416 番

 

 なんだか寂しいと感じる夜は、見えない番のことを探している。消えない傷ばかりを眺めている、スコッチを吞みながら夜を哀れみながらただ少しずつ死んでゆく。感情を焼く幾つかの炎はいつになっても消えなくて、消えなくて、笑いながら火の粉を飛ばす。どこにいるのでしょうか愛しき人よ。まだ見ぬあなたのことを想っています。夕焼け小焼けでまた明日、いつになっても現れなくて。もしかすると、とっても近い場所にいたりして、支えてくれていたりして、そんなことを妄想すると、バーカウンターが泣いている。生き急ぐな、人生。あと何度さようならを言えば終わるのだろう、あと何度初めましてを繰り返すのだろう。あなたのことを、いつまで探し続ければいいのだろう。淡い希望ばかりが眩しくて、わたし、生きていることがやっとなのに。ずっと。