どうしてやりたくもないことを一生懸命にしていたんだろう。そうやって自分に噓つきながら傷つけてばかりいたね。世間の声とか、正しさとか、愛されたいとか、評価や数字に囚われて自分が見えなくなってしまった。狭い視野は自分の痛みを鈍くして、気が付いた時には傷だらけになっている。そんな中でどうやって正常な思考が出来るというの？ 豊かさは余裕そのものから発せられる。いまのわたしの身体では、心の内など何も見えてこない。だからもう取り繕うことは止めた、本心を叫ぶことにした。わたしはただ心から出た言葉を紡ぎたかった。いつの間にか当たり前になっていた原点は、わたしの心を取り戻すきっかけとなる。今までありがとう、さようなら、甘い蜜よ。
了
