[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0153 徒然として

 

 「あっ、死にたいと思った。」

 

 ひとが人の形を保つには、ひとの体温が必要不可欠だろう。みたいなことを気が付いたら書いていたのだけど、酔っ払っていてよく覚えていない。書くためにわざわざアルコールをぶち込んだのに、結局飲み過ぎてまともなことを書けないでいる。そりゃあそうだ、何言ってるんだまだ酔っ払ってるのか、わたし。

 

 ひとの形が崩れそうになってる。いっそのこと崩れてしまえばいいのにと思ってる。馬鹿みたいに自分を消費して勝手に苦しんで雨に打たれて。心の風邪、薬はどこにも見当たらない。気持ちが落ち着いたら旅に出よう、それでも涙する眼球が鳴り止むことを覚えない。見つからない見つからない、どこにも私が見つからない。

 

 あなた色に染まりたかった訳でも、わたし色に染めたかった訳でも、そんなことは有り得ない。あなたとして、そして私として愛を交わしたかった。体温が欲しかった、ただそれだけなのに。体温が欲しかった、ただそれだけのことなのに。少し強く握っただけで、いとも簡単に壊れてしまう。

 

 生きることにも死ぬことにも意味は無い。体温があるから生きられるのであって、完全に温度を失ってしまえば生の定義から除外されてしまう。それならばどうして私は生きているんだろう。残存した愛の温もりを見つける為に、日夜色々な夢を見ている。何一つ見つからないし、脳が見せている夢の中ですら迫害される。何故、今日も目が覚めてしまうのだろう。そんな自分に愕然としてしまう、そんな自分が哀れで笑える。ハハハ、枯れた嗤いからは寸分たりとも生気を感じられない。一体わたしは、どうして今日を生きているのだろう。

 

 

 性質上、愛は求めるほどに遠ざかる。