[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0254 落下する星空

 

 とても暑いね。お天気アプリを確認したら、現地は最高気温38度と表示されていて驚いた。人間の体温より高いじゃん、おまけに過ぎたはずの梅雨が悪あがきでもしているかのようなムシムシ湿気が精神を削る。夏生まれなのに暑さに弱い、夏生まれだからこそ夏が恐ろしい。まぁ、そんなことはどうだっていいのだけれど、とにもかくにもこの時期は特に生きることだけで精一杯なのだ。

 

 こんな灼熱の中で飲むビールはさぞ美味かろう。口のなかにシュワシュワを駆け巡らせたい。けれども、あいにく現在の私は独り酒を禁じていて(鬱が加速するから)、中々お酒にありつくことが難しいのだった。とは言いつつも、駄目になりたい日やストレスフルな状況下では暴飲暴食を繰り返していて、何だかんだ飲んでしまってるんだけどね。お酒でしか発散できないような鬱憤なんて、どうしようもなく哀れだ。そう思いながらも気が付けばコンビニに向かっていて、レジ袋を片手にぶら下げていて、果てにはプルタブを鳴らしている。『そんな時もあるよね』って自分自身に言い聞かしながら、それは魔法の呪文ではないことも自覚している。『飲まなきゃやってられねぇ』って言葉がずっと怖かった。そこまで生活の中が苦しいのかしら、、、 その言葉からは爽快だけれど決して前向きではない大きな痛みがヒシヒシと伝わる。けれども、最近何となくその気持ちがわかるようになった。

 

 寂しいよね、自分と向き合うこと、時間と向き合うことが苦しいよね。酩酊の中では自意識が薄れているから、少しの間だけ思考から逃れられるような気がする。それさえも錯覚なことは理解しているけれど、その錯覚に甘えたい時というのがあるんですね。それが年に数回の逃避だったらいいのだけれど、毎日のように逃げ続けている状況は、ちょっと心が耐えられなくなってくる。本当は今日あったことを話しながら穏やかに食卓を囲みたい。でも、そんな理想はいつまで経っても難しくて、だからご飯を食べることが単なる栄養補給になってしまう。温かいご飯はわたしの心を過剰に熱するから、冷えたハイボールを喉に流し込む。そしてまた現実から少し離れていく私を、そんな私を、一体誰が引き留めてくれるというのだろうか。

 

 このブログでは度々アルコールについて書いている。もうそろそろ止めにしたいと本心では思っているのに(飲むことも書くことも)、今日もこうして昨晩の余韻を引きずりながら酒を書いてしまっている。『アルコールが無くても大丈夫な自分になりたい』とは思わないけれど、ただ単純に楽しい気分になりたい。そして、お酒とはそういうものであってほしいと、夜空の星に私は願う。