[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0413 上品な鏡

 

 他人は自分を映す鏡とはよくいったものだけど、そのことを痛感し続ける日常だった。こちらがムスッとしていると、相手もムスッとしているように感じる。笑顔で話しかければ、同じ質量とまではいかなくてもそれなりの笑顔が返ってくる。ご機嫌に生きていれば同じくご機嫌な人が集まってくるし、怒ってばかりいれば怒りの原因が次々と寄ってくる。世の中って上手いこと出来てる。与えられたければ、与えなさい。人は過去に受け取ったものしか与えられない。優しくしてもらいたければ、先に優しさを配る。横柄な態度で上質なサービスを要求している人は、過去に優しくされたことがないのかしら。ほんの些細な言動、仕草、表情で自分が変わることができるのに。自分が変わってはじめて、相手も少しずつ変わっていく。やっぱり優しくされたいと思う。それ以上に、誰に対しても優しく在りたいと思う。不機嫌な人に構っている暇なんてなくて、そんな人のこと変えたいとも変わるはずとも思わない。上品な生き方をしていれば、世界は品性で包まれていく。ご機嫌であれ、お上品であれ、優しくあれ。鏡の手入れを怠らず、時には悪戯心を忘れずに。