[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.097 太陽の奴隷、月の恋人

 

 夜に対して大きな憧れがある。

 

 夜に駆けるのはYOASOBIで、駆けることなく夜が消えてしまうのが私です。悲しい、とても悲しい。憧れはいつまでも憧れのままで、それに触れることすらままならないのだろうか。私は夜に選ばれなかった、そのことが何よりも心を締め付けている。

 

 

 色彩の無い人生ほどつまらないものはない。いま一番の課題は「いかにして夜の時間を捻出するか」になっている。夜の時間が恋しい、けれども寄り添うことが難しい。どうすれば、一体どうすれば、何かを諦めることしか方法はないのだろうか。

 

N.089 月の光を浴びながら

 

 以前、人生に彩りを与える為に、夜の時間を大切にしたいということを認めました。以前とってもつい最近のことだけれど、この一週間ほど夜を求めて駆ける練習をしてみた。

 

 会社帰りにカフェに入ったりして長時間の寄り道をしてみるとか、知人を誘って終電間際まで飲み続けるとか、家でYOUTUBE等のコンテンツを眺めながらなるべく夜更かししてみるとか、細やかな夜への抵抗を施してみた。

 

 あくまで、それら全てが細やかなこと故に、翌朝の私が絶望することになる。眠い、眠すぎる。脳味噌が頭部を突き破って空中に浮いている感じがする。足元が覚束ない、上手く頭が回らない。

 

 ちょっぴり夜更かししただけで、大袈裟だと思うでしょうか?。私自身がそう思います。誰よりも大きな声でツッコミを入れているので、どうか安心して読み進めて。

 

 まぁ、所謂寝不足な訳で、私はその寝不足への忍耐力みたいなものが大きく不足しているんだと思う。「若い頃はそんなに寝なくても平気だった」みたいなことを言うけど、私はいつだってしっかり寝ないと駄目な人間だったように思う。短時間睡眠を習得しようと躍起になっていた時期もあるけど、物凄く辛かったし、日中は地震が来たと錯覚するほどの立ち眩みが頻発した。

 

 眠らないと精神が不安定になるし、精神が不安定になると症状が悪化する。症状が悪化するともっと精神が不安定になるという泥沼ループに陥る為、根本の改善、即ちよく眠ることが何よりも大事だ。

 

 それでも、人と触れ合う時間が減ると精神が不安的になるし、金がなくても不安定になる。長時間を費やして仕上げた作品が読むに堪えない出来栄えだった時には物凄く落ち込むし、病の種はそこら中に散らばっている。

 

 そんな不安定で繊細なわたし達は、自分の向き不向きを知ることが何よりも大切になると考える。

 

 朝型と夜型、人間は遺伝子レベルで決まっているらしい。つまり、それらは先天的なもので変えることは難しい。朝早く起きるのが得意ですか?それとも日が沈んだ後に元気が湧いてくるでしょうか?。

 

 私は典型的な朝型だと自分で思っているし、痛感しています。朝早く起きることは苦痛ではないし、朝一番で作業に取り組むことが好きだ。夜になると全く頭が働かなくなるし、21時頃になると瞼が重くなり欠伸が止まらなくなる。[AM 9:00]頃が最高潮にテンションが上がっていて、[PM 16:00]ぐらいになると耳を塞いで殻に閉じこもりたくなる。

 

 そんな自分だからこそ、夜型に憧れてしまう。

 

 何よりも、夜には情緒がある。夜になにか作業をしている時点で、美しいと感じる。夜に仕事をする、創作をする、芸術に触れる、どの部分を切り取っても私には魅力的に映る。持ち合わせる語彙のほとんどを放棄すると、「なんか、かっこいい」ということになる。

 

 そう、夜は美しく、かっこいい存在。

 

 深夜になると、より情緒が増す、色彩が艶やかになる。[AM 3:00]までゲームをしているとか、映画を観ているとか、眠れないからスマホをただスクロールしているとか、そういった何もかもが眩しい。いいないいな、羨ましいな、となる。深夜帯に仕事や創作をしている方に出会うと、羨ましいを通り越して少し憎らしく思ってしまう。羨望と嫉妬が入り乱れる。朝型の自分は限りなく凡庸な人間なのだということを痛感させられるような、そんな一人芝居を嚙み締める。

 

 日を跨いで起きていることはただただ苦痛でしかないし、その苦痛の中何かをする気にもなれない。友人と家で飲んでいたりすると、時間が過ぎていて気が付けば深夜帯、みたいなことがある。そういう時は夜を他の誰かと生きていることに嬉しさを感じるけれど、翌日は何も出来ず廃人と化してしまうことが多い。わたしは夜を得ようとすると、引き換えに明日を喪失してしまう。

 

 夜型は、一種の才能だと思う。本質的に朝型の人間は夜型になれないし、夜型の人間も朝型にはなれない。なぜこんなにも魅力を感じるのだろう、自分がスヤスヤと眠っている間に、夜型達は行動をしている。自分に無い部分だからこそ、大きな憧れを抱くのだろうか。

 

 

 夜型達は、何を思い、何をしているのか

 言葉通り、夢の中で想い巡らせる

 

 今宵もわたしは 夢想に耽る