[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0399 100年後に舞い散る灰

 

 すこし落ち着いて考えてみれば、100年後にはみんな灰になっているのにも関わらず、真面目で堅実な人生を送るなんてどうにも気が狂ってる。どうせ死ぬ、どうせみんないなくなる。それなのに目の前にある悩みばかりと向き合って、もっと広い視点から眺めてごらんなさい。今日を生きることができればいいのだけれど、過去を引きずったまま死んでゆくのも悪くないんじゃないか。心の内に秘めた想いを誰にも伝えないまま終わること、これもまた一つの美学だと思うのです。でも、出来ればいまこの瞬間に集中していたい。なにか大きなことを成し遂げたいと思うのもこれまた人生、好き勝手に暴れて世界を驚かせてやりなさい。世の中、マジでテキトーに回転してる。何となく幸せだったり、何となく不幸だったり、笑ったり泣いたりしながら、代わり映えのない毎日を送っている。目が痛いと思ったら目薬を差す。甘いものが食べたいと思ったらショートケーキを買う。死にたいと思ったら何もせずボーっと休んでみる、もしくは悩む時間がないぐらい動き続ける。また少し生きたい、誰かとお話がしたいと思ったのなら、好きなひとに連絡してみる。会う、話す、触れる、感じる、別れる。インスタ映えはすべてが幻想、もっともっと汚い現実が見たいんです。ぐちゃぐちゃになった心と顔で、どうしようもない未来の話しがしたいのです。人混みの一員になった時、命の儚さをより深く感じます。ここにいる人間すべてが100年後には灰になって、その内どれだけの人間が「私」が存在していたことを証明できるんだろうか。きっと、ほとんどの人が証明できないまま自然と同化して忘れ去られる。わたしが好きだったもの、あなたが好きだったもの、愛していた人、未来ではだれもそんなことに興味などないのだから。それならば、もういっそのこと踊り狂うしかないと思ったんです。たくさんの無意味を愛してやりたいと思ったんです。限られたお金と時間を使って、馬鹿みたいなことして笑っていたいと思ったんです。こんなこと言ったら立派な大人に怒られるかもしれないけど、いざという時にはいなくなってしまえばいい。自分のなかにそんな選択肢が一つあるだけで、もっと気楽に生きていられる。お道化た自分を演じられる。いなくなりたいと言いながら生きている矛盾、一人になりたいと言いながら温もりを求めている矛盾、眠りたいのにたくさん眠ると調子が悪くなる矛盾。ひとは様々な矛盾を抱えていて、だからこそテキトーに世の中が積まれてる。そんな感じでよかったんだ、よかったんですよね、きっと。あなたが苦しいと感じた時、こんな馬鹿みたいな人間がいるってこと思い出してほしい。一説によると人間はなりたい自分になるらしいのですが、わたしはこんな自分になどなりたくなかった。これもまた矛盾、だったらいいんだけれど。