[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0401 本の虫たち

 

 久しぶりに本屋に行って思ったことは、なんとも言えない素敵な空間。書店が好き、書店にいるお客さんも好き、書店員さんも好き、静かで穏やかな空間が大好き。本を読んでいる人、その知的な表情を愛しているよ。紙の擦れる音、情報の香り、冷静と足音。本を読んで解決できない悩みは、人類にはちと早すぎる悩みなのでもういっそのこと諦めるしかない。諦念、その場に頽れてしまいたくなる。小説、言葉があたまの中で再生されなくなった時、疲れているから眠りなさい。いつもわたしを救ってくれたのは本だった。これからも救い続けてくれるもの、手放したいとは思えないもの。人との関わりも大事だけど、著者との対話があるからこそ成り立つ。本屋に足を運ぶ人は、孤独と手をつないで歩いている。老眼鏡と男性、品性漂うマダム、フッショナブルな若者、母の声で読み聞かせ絵本と幼児。その空間に居合わせた全員で食事でもいかがですか? 突発的な発想はあくまで妄想、そんな訳にはいかないですよね。全員とまではいかなくても、ただ一人に声をかけてこの後お酒でも飲みませんか? そんな訳にはいかないものでしょうか。本屋にいる人はそんなこと望んでいないですよね、これもきっと思い込み。常識ってなんだろう、思い込みとは一体なんなのだろう。これも本を読めばある程度の枠組みが見えてくる。それを知ってもなお、わたしはあなたとお話がしたい。だってこんなにも素敵な表情、眺めているだけなんて勿体無いじゃないですか。好きな人とお話がしたい。素敵な人とお話がしたいの、わたしは。

 

 

 今度一緒に本屋に行こうね。