[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0157 本を読む女の子

 

 最近冷えるせいだろうか、感情の乱高下が甚だしい。

 

 皆さんはいかがお過ごしでしょうか。体調に変わりはありませんか?。心臓がキュッと締め付けられて呼吸がままならない日々を過ごしているけれど、そんな中でも愛されることを願っている自分がいる。そんな時だからこそ思うのかな、求めるだけの愛は成就しないとわかっていても。

 

 全然上手く書けないなとか、そもそも書くことがないなと思い日々を惰性で過ごしていました。本を読むこともままならなくて、それでも動き続ける心臓が憎らしかった。いつまでも眠っていたかった。でも人生がわたしを眠らせてはくれない。子守歌を聞かない為に破った鼓膜が、愛想嗤いをして風に揺れている。

 

 もう上手く形になっていなくても構わないから、とにかく書きたかった。気持ちを吐き出してしまいたかった。

 

 先日、物凄く躁状態になった瞬間があって、その時を生きた自分は「なんでこんなネガティブな文章毎日書いてるんやろ」と思っていた。暗い文体が自分自身をよりネガティブにしているのではないか、その結果死を願うようになったのではないか。そんなことを考えている内に、瞬く間に鬱々と心は沈んでいった。

 

 ポジティブワードを用いて人生を歩む。明るい言葉を考えただけで吐気を催す、これが私の正常反応。死ぬ為に生きている、生きることはそれ自体が苦しみであって、時折その辺に温もりが転がっているだけだ。生きているだけでトラブル続きなのは仕方がない、苦しくたって仕方がない。それが生命を維持するということなのだから。諦念を最大限に活用したい。もう何もかもを諦めた上で、その何もかもを受け容れたい。

 

 結局のところ、わたしは人が持つネガティブな一面を肯定したいだけだった。生物である故の正常反応、それをポジティブで上書きする必要は無い。あなたもわたしも、これまでたくさん生きてきたね。痛苦は舞台上で小躍りを繰り広げるばかりで、いつまで経ってもわたし達は救われない。でも、救われない事実にこそ救われる幻想があって、その幻想にわたし達は美しさを見い出すことが出来る。どれだけ辛くてもその辛さを否定しないであげて。どこにも居場所がないならここに帰ってくればいい。暗闇の中に佇む一本の蠟燭、そんな居場所を作りたいだけだった。

 

 書いている時と日常の自分が激しく解離していて、このまま書き続けると自分の形を保てなくなりそうで怖かった。世界を憎むその姿が恐ろしかった。書くことを止めれば、次第に元の自分に戻っていった。何だこれは、一体どの自分が最も正しい存在なのだろうか。わからなかった、気を抜くとすぐに自分の在り方を見失ってしまう。それでも書きたいと思えるこの気持ちだけが”私”を形作っている気がした。

 

 このまま続けると、きっと大切なものを失ってしまう。そんな確信が胸の内から離れてくれない。例えそうだとしても、もう私に止まっている時間は残されていない。「いつもお世話になっております。」を書き続けて生涯を終える訳にはいかないんだ。だから、そこから見守っていて下さい。いつまでもわたしのことを見ていて下さい。心が枯れていなくなっても、言葉だけはこの場所に残り続けるから。

 

 いつでもここに、帰ってきて下さい。