[No.000]

日記以上、遺書未満。

2023-01-01から1年間の記事一覧

N.0295 比較対象としての世界

「最も手っ取り早く不幸になる方法は、自分と他人とを比べること」 このブログでは何度か書いていることなんだけど、定期的に思い出して、書きたくなってしまう。 精神が鬱々としてくると、世界がとても煌びやかに見えてくる(皮肉として)。そんな光たちと…

N.0294 弾丸と憂鬱

日常の中で覚える違和感、そのままにして歩きたい。 まるで蜘蛛の巣のように張り巡らされた敏感なセンサーに逐一なにかが引っかかる。違和感を解消するために多くの時間を費やしていたら、いつの間にか11月が終わりそうになっていた。こんなこと、こんなこと…

N.0293 幻嗅とやつがれ

もう本当に、最近感覚過敏が甚だしくて、特にこの愚かな嗅覚が群を抜いて暴れまわっているのだ。 良い匂いと不快な臭い、恐らく、我々は直感的に判別していると思うのだけれど、可もなく不可もない「普通の臭い」というのは、ちょっとした神経のピリつきによ…

N.0292 敗北とスコッチ

「あらら、今日はほんとにダメだわ。」 起きた瞬間から24時間の敗北を感覚的に思い知らされるような、そんな一日ってありませんか? 雨がコンクリートを打ち付ける音で目が覚め、起き抜けの頭で静かに絶望を思考する。脳内が見事に濁っているというか、心を…

N.0291 騒がしい、あたま

もういよいよ冬の到来、吐く息が白い靄となって空に消えていく、それだけがすこしうれしい。それ以外は、もう陰鬱とした日々を繰り返していて、以前のような、一か月前のような快活さは一体どこへやら......といった塩梅でございます。いまいち体力が戻らな…

N.0290 静けさを、知る

先日、共通の知人の集まりがあり、5人で食事をしていた時の話し。 その内の一人が海外から旅行に来ている方で、食事以外のほとんどの時間をスマートフォンを使い動画撮影していた。「それどうするの?」と問いかけると、YOUTUBEにアップロードしたり、ブログ…

N.0289 自己破壊の末に

何となく身体がフワフワする、その上ものすごく眠い。職場で熱を計ったが36.5度と平熱であった。全然平気で動けたため、浮かぶ脳みそをおさえつけながら仕事を続行した。明日が休日でよかった。一日ゆっくりと寝ていましょう。関節が痛む気がするけれど気の…

N.0288 指差し確認

生きているだけで何かを失っている気がして、慎重にならざるを得なかった。それは心拍数と共に抜け落ちていく。正体はハッキリとわからないけれど、わたしはただ漠然とした喪失が恐ろしかった。 何かを手にした時には、喜びと同時にそれを失う可能性が生まれ…

N.0287 側にいてほしいと願っても

人生に惨敗した。 有言実行、見事に死にました。どうしてこうも飲み過ぎてしまうのだろう。楽しかった、幸せだった、甘い蜜だけで終わらせてくれないのが人生の本質か。宿泊していたホテルで起きた瞬間から絶望した、動けない、起き上がろうとすると嘔吐した…

N.0286 アンチ・アンチ・コミュニケーション

iiinukaiii.hatenablog.com 最近、コミュニケーションへの関心が高まっていて、そういえば以前にも書いた気がしたので見返してみると、約一年前にもコミュニケーションに関しての文章を書いていた。冬が到来して、一年の終わりがなんとなく垣間見えるような…

N.0285 合理的な消え方

いなくなりたいと願えば願うほどに、執着が現世に根を張っていつまで経っても離れられない。それは生きることに期待してしまうのも同じ。正反対のものを引き起こしてばかりのこの執着心が憎くて、憎くて、そう思えば思うほどに膨らみ続ける執着のご満悦が、…

N.0284 変化の渦

世のすべてのものは移り変わり、生まれては消滅を繰り返し、不変なものは存在しない。諸行無常はもちろん人間にも当てはめられる。 変わったなと思う人、変わらないままだと思う人、変わってしまったと思う人。人の心は移ろい、その時々において色んな物事に…

N.0283 肯定的な人形

気が付けば、家でお酒を飲まなくなっていた。 何度やめようとしても次の瞬間にはコンビニエンスストアに向かっていて、手にはストロングゼロを持っている。素面で生きることなど不可能だと思っていた。いつかきっと、自分は滅びてしまう。己の意志で破滅に歩…

N.0282 空を見上げれば

「なんかもうどうでもいいわ」 そんな時には日常が忙しくて睡眠が足りていないのかもしれなくて、それ以上に愛が不足しているのかもしれない。生活が退廃的になればなるほどに人は容赦なく離れていく、落ち込む、そして以前よりも頑強な”どうでもいいわ"が完…

N.0281 ショートケーキといちご

わたしには、自分の中で決めているたった一つの信念があります。それは「世の中に甘えて生きていく」ということです。 なんでも自分でやらなくちゃいけない、みたいな苦行主義的生き方はどうしても疲れる。「甘えてないで自分でやりなさい」「他人任せにして…

N.0280 散詩

君が落としていった言葉を摘んでいたら、 気が付けば手のひらには小さな花が咲いていた 綺麗な朱色 と 悲しげな藍色 交差する世の中はきっと中間色を忘れている いつまで経っても悲しい、 いつまで経っても悲しいままで 僕たちは傷つかないことばかりに集中…

N.0279 理由ばかりを探し求めて

気が付けば暗闇を見つめていて、寝具の擦れる音を聞いていた。深夜3時過ぎに目が覚めた。中途覚醒のような半端なものではなく、これは間違いなく覚醒。季節の変わり目だからなのか、朝まで眠ることが難しくなっている。昨日も同じ時間に目が覚めた。もう少し…

N.0278 交わされる言葉たち

わたしは、好きな人と会って話すことが大好きです。テキストメッセージを往復させるぐらいなら、直接会いに行って顔を見ながら話したいと思ってしまう。だから、メッセージでのやり取りは必要最小限に抑えて、LINEなどは”人と会うためのツール”として認識し…

N.0277 Good night.

最近気が付いたことなのだけど、夜、照明を消してベッドに入り目を閉じ、眠りの入り口に向かう最中で「お母さんごめんなさい」と心の中で謝罪しているわたしがいる。わたしの意志とは関係なく、毎日頭の中に声が響く。何に対して謝っているのかはわからなく…

N.0276 冷たい吐息

少しずつ、という表現が許されないぐらい一気に寒くなっちゃって、心の中がウキウキとしている。身体が冷える感覚が好きだ、だからわたしは冬が大好きだ。冬になると鬱の発症率が大幅に上がる。それは体温が精神安定に大きく影響しているからで、例えば温か…

N.0275 面影に縛られて

「世の中は思っている以上に適当だから、自分も同じくらい適当に生きていけばいい」 気分で書いている日記に、このような言葉が綴られていた。毎日肩に力を入れ過ぎて、頭がバキバキに凝る。真面目であることが美徳とされる風潮も、現代では最早崩れ落ちた神…

N.0274 薬指の契り方

「振られました」 今月の月初め、一人の友人からLINEが届いた。バーカウンターでメッセージを読んでいた私、スコッチやカクテルで頭中が揺れる。意図を上手く理解することができなくて、なんとなく『仕事やめた?』と打ち込んだ。『ちがう』『彼に振られた』…

N.0273 ヒトノナ

人間は自分の名前をとても大事にする生き物だと聞いたことがある。名前を丁寧に扱われると嬉しくなるしその相手に好意を抱く。反対に、ぞんざいに扱われれば嫌な気持ちになって心の中で悪態をついたりする。いつでもどこでも私たちは自分自身に与えられた名…

N.0272 可能性としての完璧

通勤で日に二度利用している地下鉄、電車の中でやることが見つからなくて、ふと周囲を見渡してみる。スマホに釘付けの男性、指の腹を使いスマホをスワイプする女性、映像コンテンツをスマホで鑑賞するくたびれたスーツ、コツコツと音を立てながらスクリーン…

N.0271 泡沫

傷つくことが当たり前になったあの日から、わたしは誰かの中でしか生きられなくなってしまって、正直に言えばとても息苦しいと感じている。どうして私は『わたし』を保つ為に、必死に生きているようなフリをしているのだろう。いつまでも自分の中で巣食う過…

N.0270 散花

かつては花畑の中で皆仲良く咲いていたのに、今となっては綺麗に散ってしまった。それでも何とか根を張り生きようとしている寂れた花たちが、今日も養分を探しながら世を彷徨っている。 埋まらない溝だとわかっていても、諦められなくて土をかけ続けていたり…

N.0269 変われないまま、夏が消えた

N.0127 変わりゆく夏、終わる夏 - [No.000] N.027 夏の沈む音が聞こえる - [No.000] 今年も墓参りに行きました。姉の命日の翌日でした。去年の自分とは何も変わらないままで、こうやってずっと変わらないまま歳を重ねていくのかと思うと、どこか寂しくもあり…

N.0268 頭の中の魔物

長時間熟睡すると頭がスッキリするのと同じくらい、眠っていない時ほど高波を打つテンションがある。長く眠ってスッキリする方がいいんだろうけど、眠れば眠るほどに一日の行動時間が減っていく。それに、謎のテンションを求めている時もあって、眠ることが…

N.0267 繋がりの静けさ

約10年以上前、スマートフォンが普及し始めたタイミングで日常的な連絡手段がメールからLINEへと移行した。一通毎の送受信からチャット形式にコミュニケーションが置き換わった。当時はその利便性に感動したものだけれど、いまとなってはどこかメールでのや…

N.0266 考える肉塊

少し進んでは「うーん」と考え立ち止まる。歩いている時間よりも、考えている時間の方が長いのでは? と思うほどなのです。これは困ったものだ、とまた少しだけ考える時間が増える。 正確に表すと多くの人間が『考えているフリ』をしている。何時いかなる場…